不倫夫の「しにたい・消えたい」は狂言?逆ギレ心理と妻の境界線の引き方

不倫が発覚した後、夫婦のこと、不倫相手とのことで話し合いを重ねる中、夫が「もうしにたい」「俺はいなくなりたい」と口にしたり、「〇月に出ていく」と期限を突きつけ別居に言及することがあります。

その言葉に強いショックを受けた奥様は、「本当にしんでしまったらどうしよう」「私が追い詰め過ぎたのだろうか」と過剰な不安や罪悪感に苛まれてしまいがちです。

ですが、不倫が妻にバレた後、このようなことを言う多くの夫を見てきた私から言わせれば、これらは夫の未熟さゆえのパニックであり、責任逃れのための狂言に過ぎません。

今回は、「しにたい」「消えたい」「いなくなりたい」「出て行く」などという狂言を繰り返す不倫夫の3つの心理メカニズムと、奥様が夫の狂言に巻き込まれずに「心の境界線(バウンダリー)」を引く方法を、実際の相談事例を交えてお話しします。

※これは不倫問題専門カウンセラーによる、夫婦関係修復のための心理学的な相談事例の記録です。


目次

いいとこ取りしてきたコストを突きつけられた不倫夫の「機能不全(パニック)」

リビングのソファーに座る妻に、立って狂言を吐いている不倫夫


不倫が妻にバレて逃げ場がなくなった瞬間、夫には「妻からの追及」「不倫相手からの圧力」という現実の重圧が同時にのしかかります。

これまで家庭の安定と外での刺激を「いいとこ取り」してきた彼らには、両方から同時に結論を迫られ、責められたりする苦境に耐えうる精神的な筋肉(成熟さ)がありません。

脳が完全にキャパシティオーバー(機能不全)を起こし、「もう全部リセットして消えてしまいたい」という幼児的なパニックを起こしている状態なのです。

【事例】妻との夫婦関係がよくなるにつれ苦しみだす不倫夫

私のカウンセリングでは、「夫の前で検察官、裁判官になるのは一度やめましょう。波風を立てずにしばらく夫に向き合う戦略をとりましょう」とアドバイスすることがあります。

このような不倫夫が苦しみだすのは、感情的に責めたり追求してくる妻ではなく、壁を作り冷たい妻でもなく、波風を立てない優しい妻であり、自分の話を聞いてくれ、理解してくれる妻に変わったときからです。
そもそも夫が求めていた理想は、心身の触れ合いがあり、寄り添える夫婦関係だから。

いろいろな方のご相談を受けてきましたが、このような不倫夫たちは一定数いて珍しいケースではありません。
30代後半のご夫婦のケースですが、
妻が「そんなに彼女が好きなら離婚して一緒になればいい」と言っても、夫は「そんなつもりはない。彼女と一緒になっても幸せになれない。離婚したくない。お前や子どもが大切だ」と必死に主張していました。

しかし最悪なことに、不倫相手の前では全く違う顔を見せていたのです。
「すべてを捨てる覚悟がある」
「ずっと一緒にいたい」
「妻と離婚する」
「お前を選ぶって決めた。もうちょっと待ってほしい」

不倫発覚後、妻が怒り狂っていた頃は、夫も逆ギレして「もうあなたとはやっていけない、離婚してくれ」と言っていましたが、アドバイス通りに妻が問い詰めるのをやめ、波風を立てなくなったら夫は離婚を口にしなくなりました。

さらに、妻が夫婦関係の溝を埋める意識で向き合ったら、夫の態度がやんわりし始めたのです。

妻の軟化した態度を見て「急に変わって違和感を感じてしまう」という思いはありますが、だんだんと妻に対しての情や愛が戻ってくることはあります。

しかし、「不倫はもう終わらせなくてはいけない」という思いには至らず、「妻とも不倫相手とも、このままの関係を維持できればいい」と都合のいい夫のままです。

ですが、妻との関係が穏やかになるほど、夫は不倫相手と頻繁にもめ始めるようになります。
実際、このケースもそうでしたので、私はカウンセリングで奥様にこう言いました。

「あの頃のように夫婦を炎上させて夫ともめないように意識してくださいね。女はいずれ駆除するけど、今は生活のノイズくらいに捉えていてください。とにかくご主人とは仲良くです。」と。

そしてこうも付け加えました。

ご主人は不倫相手ともめさせておけばいいんです。まあ、衝突したり仲直りしたりと激しいでしょうけど、私は)もっともめろって思います」と。

夫と不倫相手のラインのやりとりを見れているなか、不倫相手は「本当に離婚できるのか」と疑心暗鬼になり、執着から夫を責め立てます。

会えば口頭で、離れていればLINEで責められ、夫はその場しのぎで「〇日に妻に離婚の話をする」とか、「明日には妻にちゃんと言う」などと、引き延ばしを繰り返していました。

当然、妻には何も言えず、不倫相手にまた責められる。
そして夫は必死に不倫相手をなだめる……。
こうした不毛なループの繰り返しで、不倫相手と衝突することが多くなり、ケンカしていっとき連絡を断ったり会わなかったりする。
*でも、これで夫と不倫相手が別れることはありませんので期待しないように。

夫は「俺がはっきりしないからいけない」と自覚するときもあるが、「このままなら都合がいい」という思いが勝っている。

しかし、夫はこの状態がしんどくなり、病み始めます(すでに精神的に病んでいるが)。
脳がキャパシティオーバー(機能不全)を起こし、「もう全部リセットして、きえてしまいたい」とパニックを起こすのは時間の問題なのです。


「かわいそうな俺」を演じることで罪悪感から逃れようとする不倫夫

家の書斎で一人物思いにふけっている不倫夫


夫が「いなくなりたい」「どちらも選ばずに両方切る」と口にする時、その根底にあるのは、強烈な「自己憐憫(自分をかわいそうだと思う気持ち)」です。

本来であれば、自分が一番悪く、妻を深く傷つけた加害者であるはずです。
しかし、彼らは「自分が最低な悪者である」という耐えがたい事実(罪悪感)を直視する強さがありません。

そこで、彼らは脳内で「妻と女の板挟みになり、誰にも理解されずに一人で消えていく悲劇の俺」というストーリーを作り上げます。

悪いのは俺じゃない。この過酷な状況が俺を追い詰めているんだ


自分の存在の消滅を人質に取ることで、問題の責任から逃れようとしている夫。

さらに情けないことに、彼らの深層心理には「妻に助けてほしい」「妻が俺を救う名案を出してほしい」という甘えがあります。

不倫をしておきながら、妻を「母親役」にして救ってもらおうとしているのですから、本当に勝手な話です。
*皆様のなかにも、夫の不倫の話を聞いてあげている方もいるでしょう。
夫の恋愛相談はしないで!と言うこともありますが、、、、。

このような30代の不倫夫もいました。
その夫は「いなくなりたい」と言いながら、妻に対して「俺が好きなん?」「俺はいたほうがいいん?」「こんな俺は嫌だろう?」としょっちゅう聞いていました。

妻が不倫相手と別れるよう促すと、「じゃあ俺はどうしたらいいんだ!」と逆ギレし、妻が正論で解決策を提示しても「そんなんじゃ話にならないじゃん!解決にならない!」と納得しません。

夫が納得する解決策とは「家族を失わずに、不倫相手とも関係を続けたい」という身勝手なものだからです。

「そんな自分にとって都合がいい名案を奥様に求めていた人なんですよ」と私は妻に言いました。


「〇月に出て行く」不倫夫の発言は妻への脅迫に過ぎない

〇月になったら家を出て行く」と具体的な期限を提示するのも、心理学的に見れば、崩壊しかけた自分の主導権をもう一度力技で取り直そうとする「妻への脅迫」です。

奥様に対して、これ以上俺を責めたら、俺は出て行くぞ。だからこれ以上正論を言うな。
無言の圧力をかけているに過ぎません。

多くの不倫夫を見てきた私の経験からはっきり断言します。
このような発言をする夫は少なくありませんが、期限が来ても結局は出て行かない夫ばかりです。
極めて利己的で未熟な「狂言」として捉えてください。


解決方法:過剰な共感をやめ、心の境界線(バウンダリー)を引いてください

部屋の窓辺に立ち、前向きな表情で外を見ているサレ妻


このような夫を多く見てきた私の視点ですが、どうしても夫の狂言、戯言に毅然とした境界線を引けずに、真に受けるタイプの妻が多いと感じます。

こんな夫の悲しみ、苦しみを自分のことのように共感してしまう

夫が「いなくなりたい」「しにたい」と言ったなら、それを強く想像してしまうのです。

「主人がしんだら困ります」「ほんとうにいなくならないでしょうか、、、」と、カウンセリング中も幾度となく聞いてくる妻はけっこういます。

そのたびに、「ご主人はいなくなりませんよ」と、夫の心理を説明するのですが腑に落ちません。
どうしてもネガティブなことの起きる確率を高めてしまっているのです。

はっきり言いますが、不倫が妻にばれたにもかかわらず不倫相手といっこうに別れることがなく、このような発言をする夫は少なくないなか、現実となった事例はありません。
彼らが「きえたい」「いなくなりたい」と嘆く理由は、はっきりとした、本当に呆れるほどの理由があるからです。

やはり、妻が引く境界線が必要なのです。

夫は、自分が招いた自業自得の結果に対して心底困り果てて、必死に聞いてくれる妻になげやりなことを言っているだけです。

あなたはもう、その夫の狂言に惑わされず、冷静に、非情に、客観的に見なければなりません。

過剰な義務感と「防衛本能」に気づく

妻の心の中には、「私が彼を正しい道に戻さなきゃ」「私が彼を救わなきゃ」という無意識の過剰な義務感が潜んでいることがあります。

ですが、あなたは彼の母親でも精神科医でもありません。
大人の男が自分で犯した罪の重さに耐えかねて喚いているのを、なぜ被害者であるあなたが子守りしなければならないのでしょうか。

実は、この過剰な共感は、あなたの心の弱さではなく、恐怖から身を守るための「健気な防衛本能」です。
人間は強い恐怖を感じると、「これ以上最悪な事態が起きないように予測しよう」と脳が過剰にアンテナを張り巡らせてしまうのです。

まずは、「私のこの過剰な不安は、私の心の癖のせいでもあるんだ。大人の目線で境界線を引くべきなんだ。それと、心がこれ以上壊れないように必死に守ってくれている防衛本能なんだ」と、自分の心を受け止めてあげてください。

『大人の自分(理性と客観性)』の席に戻る

その上で、意識的に『大人の自分(理性と客観性)』の席に戻りましょう。

「夫がどう感じ、どう喚こうが、それは大人の彼自身の問題なんだ。
私の心の安全領域(バウンダリー)とは一切関係がないんだ。」
と認識することであり、
あなたが辛過ぎて、きえてしまったら私は悲しいので、病院に行って診てもらおう
と自分ではどうすることもできないと割り切り、むしろ夫に診察を勧めることです。

このように、夫の感情と自分の感情を切り離す意識を持つことが、自分を守るための境界線となります。

夫の未熟な狂言に振り回されるのをやめ、心の境界線を引き、大人の目線を取り戻したとき、初めてあなたは本当の安心領域を確保できます。

感情の嵐に巻き込まれず、まずはあなたの心の平穏を取り戻すこと。
それができれば、私と一緒に、適切なタイミングと方法で、不倫問題の解決に向けて毅然と次のステップへ進む準備が整います。

不倫問題を解決するには、夫に対して境界線を引ける妻になることが重要です。
ぜひ念頭においてください。

※本記事は浮気、不倫問題を抱えた夫婦に向けた心理分析の事例です。もし現在、精神的に強い苦痛を感じている場合は、専門の医療機関や、公的な相談窓口(こころの健康相談統一ダイヤルなど)へのご相談もご検討ください。

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📍 活動拠点:千葉・東京・沖縄・オンライン

🔍 専門分野:浮気・不倫・風俗問題、夫婦関係の再構築・離婚相談


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